カメヲラボ

主にプログラミングとお勉強全般について書いてます

翻訳ソフトを使ってみる(7)

翻訳精度スコア〜英文解釈編〜

翻訳精度スコア〜短文編〜で、5文型を基本として短い文章から少し長めの節を含んだ文章まで、いくつかの翻訳ソフト・Web翻訳サービスについて、その翻訳精度を検証してみました。現時点での評価としては、Web翻訳サービスの中では「Excite翻訳」が1歩進んでいるようです。翻訳ソフトについて、「コリャ英和!一発翻訳 2009」と「The翻訳 2008」の2種で検証していますが、どちらも有料ということでまずまずの翻訳精度ですが、訳文の自然さでは「The翻訳 2008」の方が勝っているように感じます。市販のソフトについては、他のものも入手できれば検証の対象にしたいと思いますが、今のところ自分で購入する気はありません^^;

というわけで、前置きが長くなりましたが、今回の英文解釈からは前述した3種類の翻訳ソフト(サービス)のみ検証を行うことにします。検証に使う英文は、これまた私のお気に入りである

速読速聴・英単語 Core1900〈ver.3〉

速読速聴・英単語 Core1900〈ver.3〉

を使用します。テーマ別で100語前後の英文なので手ごろなのと、個人的に勉強するのに大変役立っているので宣伝も少しかねています:D

採点方法

これがちょっと難しいです。進めていくうちに少し変更する可能性もありますが、文法的に良い悪いよりも各語の日本語訳が適切かどうかを重視していきたいと思います。ある程度長い文章の場合、細かな文法よりも全体から読み取れる意味が重要ですから、1つ一つの文の構造がしっかりしていても単語の意味が全然違っていると読んでてサッパリわからないからです。絶対的な評価が難しいので、テキストに付属の訳文を基準にそれぞれの訳を比較して、相対評価で採点していきたいと思います。


結果

市販ソフトがやや有利か

最初はテーマ別に調べていたのですが、テーマごとの文章量に差があるのと、「やっててあんまり関係無さそうかなー」という気がしてきたので、全部まとめて評価することにしました。

翻訳ソフト 得点率(100%)
コリャ英和 2009 41.8%
The翻訳 2008 40.0%
Excite翻訳 33.8%

市販ソフトが40%代で、Excite翻訳より僅かに良い成績を示しました。


講評

得点率を見ると「コリャ英和 2009」が最高得点なのですが、使ってみた印象では「The翻訳 2008」の方が正直良いです。というのも、「The翻訳 2008」の方が日本語の表現が軟らかくて読みやすい場合が多かったように思います。「コリャ英和 2009」は直訳的過ぎてちょっと読みにくい印象を受けやすいのですが、難しめの文章だと下手に表現を工夫した文章より意味がわかりやすいことが多数あったので、総合的にトップになったような感じです。「コリャ英和 2009」の弱点(というより「The翻訳 2008」と「Excite翻訳」の優れている点)は、前者と比べて後者2ソフトは括弧をうまく使っています。無理に文章をつなごうとしないで括弧で区切って訳しているのはすばらしいと思います。

Australia signed the CTBT, which bans all nuclear weapons test explosions and all other nuclear explosions, in September 1996 after pushing the treaty through the U.N. General Assembly.

「コリャ英和 2009」の訳

オーストラリアはすべての核兵器実験爆発とすべての他の核爆発を禁止する CTBT 、1996年9月に、条約を国連を通して押しつけた後で、議会と契約しました。

「The翻訳 2008」の訳(「Excite翻訳」もこれに近い)

オーストラリアは国連総会によって条約を押した後に1996年9月に、CTBT(それはすべての核兵器実験爆発および他のすべての核爆発を禁止する)に署名しました。

あと、気になったのが「コリャ英和 2009」では"They"が出てきたときに、『(彼ら・それら)は』みたいに訳すのですが、長文を読んでいてこのような記述が頻発すると読んでて少し不快になります。


このように書いていると、『じゃあ「The翻訳 2008」が一番良いんじゃね?』と考えたくなるのですが、おまけの得点詳細を見ていただいたらわかるかもしれませんが、「The翻訳 2008」はおかしな訳をし始めると歯止めがききにくいんじゃないかな?という印象があります。


じゃあどれがオススメなのか

という話は、次のエントリでゆっくり書きたいと思います。


おまけ(得点の詳細)

各文章の採点結果も掲載しておきます。

文章番号 コリャ英和2009 The翻訳2008 Excite
01 63.3% 56.7% 56.7%
02 36.7% 40.0% 36.7%
03 48.0% 64.0% 48.0%
04 32.0% 32.0% 24.0%
05 68.0% 60.0% 40.0%
06 62.5% 47.5% 32.5%
07 43.3% 20.0% 43.3%
08 30.0% 55.0% 55.0%
09 51.1% 35.6% 53.3%
10 28.6% 34.3% 22.9%
11 50.0% 46.7% 43.3%
12 50.0% 43.3% 56.7%
13 26.7% 16.7% 3.3%
14 31.4% 22.9% 14.3%
15 40.0% 5.0% 10.0%
16 24.0% 20.0% 8.0%
17 40.0% 47.5% 22.5%
18 33.3% 31.1% 33.3%
19 40.0% 25.7% 28.6%
20 40.0% 40.0% 45.0%
21 20.0% 45.0% 35.0%
22 60.0% 60.0% 48.0%
23 56.0% 40.0% 20.0%
24 51.4% 54.3% 42.9%
25 42.9% 42.9% 28.6%
26 30.0% 30.0% 20.0%
27 30.0% 63.3% 40.0%

まあ、わりと主観的な判断もありますから、このデータが充分に信用できるものではありませんが、分量としてはたくさん調べたので、ある程度参考になるかと思います。