ロベール本の解説
- はじめに
実はロベールさんから「レビューしてちょ」*1と頼まれていたのですが,私がノロノロしているうちに完成してしまったわけです.ごめんなちゃいと言う意味と,あとはマイコミ様から献本いただいたということで簡単に解説させていただこうかと思いました.まあ,この本は普通に良い内容なので私が宣伝するまでもないわけですが,目次だけではわかりにくい部分もあろうかと思いますので,全体の流れをざざっと文章で説明しておきます.
- 外観
946ページもあるだけあって,極厚です.
5センチ(゜□゜)
- Chapter1
まずChapter1では,プログラミングを行うための環境について丁寧に説明されています.主にIDEの使い方で,Windowsユーザ向けにVC++の使い方,Macユーザ向けにはxcode,Linuxユーザ向けにはEclipseとなっています.Windowsの初心者プログラマーで,ちょっとプログラムを書くたびにプロジェクトをポコポコ作ってフォルダが大変なことになっている人は必ず読むべきです.
- Chapter2,3
初心者向けの本でよく使われるテクニックとして,「ややこしそうなことはあえて書かないようにして,読者をわかった気にさせる」というものがありますが,Chapter3では初心者に隠しがちな文字列,ヘッダのインクルード,関数のプロトタイプなどについて,十分な説明を行っています.なんとなく書くことから1歩抜け出したい初心者は必ず読むべき内容だと思います.
- Chapter4
Chapter4はその延長で,C/C++の関門とされるポインタに関して,40ページ近くもの紙面を割いて説明されています.これでわからなければ,プログラマを辞めれば良いです.
- Chapter5
クラスの説明の前に,多次元配列・構造体・new&deleteなどCプログラマがC++へ移行する場合には大変わかりやすくなっています.Chapter4,5を読むことで,初級プログラマは中級プログラマになる足がかりを掴むことができるのではないでしょうか.
- Chapter6〜8
ここから本格的にクラスの説明が始まります.いわゆる「C++初心者向けの本」に書いてあることが丸ごと入っているような感じです.初心者向けの(ry
- Chapter9,10
テンプレートと例外処理に関する内容です.初心者向けの本ではあまり詳しくなかったり最低限に止められている場合が多いですが,丁寧に説明されています.基本的なことはここを読めば十分でしょう.
- Chapter11〜16
中級プログラマが上級プログラマへと成長するために必要な事項がびっしりと詰まっています.Chapter10までと11以降を2冊に分けても良いんじゃないかなーと個人的には思いますが,1冊にまとまっているのが売りの一つでしょうから別に良いのかもしれませんね.
- 付録
付録Cには結構重要なことが書いてあります.ネットで落としてきたソースコードが手元のVC++でコンパイルできないとか,「なんかエラーが出るけどわからない」と言う人は,こういう部分を注意深く読んでおくとうまくいくことが多くなるのではないでしょうか.
*1:本人はこんな言葉遣いをしない^^;