ショートコーディング本の評価(1)
そろそろ感想とか出てるかなーと思って,「Short Coding」「ショートコーディング」というキーワードで検索してみるといくつか出てきました.あと,http://d.hatena.ne.jp/asin/4839925232でも結構たくさん.ほとんどの方が好意的に評価してくださってらっしゃるようで,素直に嬉しいです.皆さんありがとうございます.
そのうちリンク集みたいなのを作ってみたい気もしますが,とりあえず現時点で「これは!」と思った感想・書評について取り上げさせていただきたいと思います.
最近いろいろな人に「本書いたデ(`ω´)」と宣伝するわけですが,大半が普通のプログラマなので(もしくはプログラマですらないので)なかなか説明するのが難しいです.
まず注意ですが,私のような大学教員からするとこれは授業で学生に薦めるような本ではないです.
全くその通りなんですよね.教員ではありませんが私は今でも大学生の面倒を見たりしています.学生さんが買ってくれたらそれはそれで良いのですが,プログラミングを始めたばかりのコ達には「まだ読んじゃダメ>_<」と思ってしまいます.ある程度できるコなら全く問題ないのですが….自分の書いた本が力いっぱい薦められないというのもなんか悲しいですね.
ただ,私が理論家だからかもしれないですが,アルゴリズムが正しいかどうかをあまり気にしていない趣きがあるので,その点を気にしているとなかなか読み進められないです.
読み手と同様に,書き手である私自身もアルゴリズムに関してきちんと説明しようとすればするほど書き辛くなるという状況に陥ってしまって,最終的に今回のような形になりました.正直なところ,厳密に証明していない箇所はいくつかあります.ただ,推論したアルゴリズムに数多くのデータを食わせて,POJのジャッジも通ってという過程をクリアしていることは確かで,特定のデータで問題がある場合は説明を入れているはずです.この辺り,シビアに検証してみたいという方は是非チャレンジしていただきたいと思います.(具体的なことは,いずれこの日記で書こうかなとも思っております)
私が発見した中で,唯一「ブックレビュー」と名の付いたものです.(他にあったら情報お願いします)
ショートコーディングが競歩に例えて評されています.なるほど.たしかに,傍から見ればショートコーダーはキチガイっぽいですね.コードゴルフの中でもシンボルゴルフとかbrainfuckゴルフなんかは完全に競歩の世界かもしれません.…と考えると,ショートコーディング本で主に使ったC言語,つまりCゴルフの場合は競歩じゃなくて,マラソンでもなくて,自転車レースのような気もします.Cのゴルフは結構何でもアリなんですよね.でも「さすがに車に乗っちゃったらgdgdでしょう」みたいな.
一つ残念なのは技術的なことには特に触れられていないところです.読み物としては,実質1章のはじめの方と5章だけであって,メインは2章〜4章です.そして,その内容は書評にあるような「言語使用やコンパイラ」について書いてあるのかと言えば意外とそうではなくて,最適なアルゴリズムやデータ構造と,その中から最適なものを探る作業や算術的なテクニックに対して,400近いページ数の中で多大な紙面を割いているわけで,レビューというならこちらの評価に重点を置くのが良いのではないかと,レビューをレビューしてしまったりでなんとなく失礼な気もしてきたのでこの辺で.
ゴルフ神のお言葉ということで.
本当は真っ先に取り上げて,「shinhさんがこんなに評価してくださってるんだから買ってNE!」と言いたいところだったのですが,どちらかというと内輪の人間の評価ということもあって良い所だけ書いてくださっているような気もして,ちょっと遠慮しておりました.まあ,結局書いちゃってるわけですが^^;
とりあえず,今回は以上ということで.
面白そうなレビューがあったら,情報提供ぷりーず!